この授業について
目標は、自分で映像を作るときにプリプロとポスプロを理解し、設計できる目を持つこと。映像概論は「作る」授業ではなく、観て、分解し、設計する授業です。作る作業はAfter Effectsの授業で学びます。
この授業の考え方
なぜ1本を深く観るのか。なぜ作り手の背景や、お金の流れまで知る必要があるのか。授業の土台になる考えは「シークバーを、ただ通り過ぎないために」にまとめています。
成績のつけ方
| 評価するもの | 内容 |
|---|---|
| 出席 | 毎回の授業に出席すること。作品は授業の中で通して観るので、その場にいることが一番大事です |
| 感想の提出 | 毎回の授業のあとに、感想を提出すること。分析シートの「たどる面」で気づいたことを、自分の言葉で書いてください |
感想は、内容が「合っているか」では評価しません。映像に正解はないからです。見ているのは、毎回観て、毎回自分の言葉で書いて出したかどうかです。提出された感想の中から、授業記録の「みんなの気づき」に名前を伏せて載せることがあります。提出方法と締め切りは授業で伝えます。
毎回使う分析シート
- レイヤー構造
- 世界観
- カラコレ・ルック
- テンションカーブ
- 台本構成
- 源流作品
6項目に加えて、観察した言葉を集める「パラメータの引き出し」と、自分ならどう表現するかを考える「降ろす面」があります。詳しくは分析シートのページへ。
| 時期 | たどる(分析) | 降ろす(制作の練習) | AEの授業との関係 |
|---|---|---|---|
| 1年前期 | パラメータ → 抽象まで全段 | 抽象 → 形容詞まで | 引き出しの中身を集め始める |
| 1年後期 | 同上 | 形容詞 → 具体まで | AEで基本の技術を学ぶ |
| 2年 | 同上 | 具体 → パラメータまで | AEの技術で、集めた引き出しを開ける |
観ることと作ることは、同じはしごを逆に進む
自分だけが気づいた表現を作品にするには、人を巻き込む必要があります。そのためには、頭の中の抽象を、チームが作業できる数字まで降ろさなければなりません。分析シートで作品を読むことは、そのはしごを下から上へたどることです。
抽象から形容詞、具体、パラメータへのはしご 制作では抽象からパラメータへ降ろし、分析ではパラメータから抽象へたどる。4段は、抽象(自分の中の核)、形容詞(チームとの共通言語)、具体(コンテと演出の指示)、パラメータ(スタッフの作業指示)。
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制作|抽象から降ろす
分析|作品からたどる
1 抽象 自分の中の核 「取り返しのつかない喪失」
2 形容詞 監督・チームとの共通言語 冷たい/静か/遠い
3 具体 コンテ・演出の指示 夕方の逆光、人物は画面の端、 音楽は入れない
4 パラメータ 各スタッフの作業指示 色温度:寒色寄り/彩度:下げる 人物:画面の端3分の1/カット尺:長め
図1 抽象→形容詞→具体→パラメータ。制作では上から降ろし、分析では下からたどる。説得力のない絵は、どこかの段を飛ばしている。
この授業で出会う作り手たち
映像の現場には、監督だけでなく、編集、撮影、色彩、美術、衣装、音楽、タイトルデザインなど、たくさんの役割があります。授業で紹介する作り手のうち、女性の作り手を一覧にしています。自分を重ねられる人を探してください。
- 第2回 藍にいな(MVアニメーション)
- 第7〜8回 ジャクリーン・ウェスト(衣装)
- 第11〜12回 楠本麻耶(色彩設計)
- 第17回 マーガレット・シクセル(編集)
- 第4回 テルマ・スクーンメイカー(編集)
- 第9回 渋谷紀世子(VFXディレクター)
- 第13回 ドミー・シー(監督)
- 第19回 レイチェル・モリソン(撮影監督)
- 第25回 山田尚子(監督)
- 第29回 エイミー・ヘニッグ(脚本・ディレクター)
- 第31回 保田道世(色彩設計)
- 第34回 キャスリン・ビグロー(監督)
- 第43回 ソフィア・コッポラ(監督・脚本)
- 第45回 メアリー・ブレア(コンセプトアート)
- 第47回 カリン・フォン、ヨランダ・サントーサ、アナ・クリアド(タイトルデザイン)
- 第52回 菅野よう子(作曲)
一緒に使う教材
LiquidBlockの映像授業フォーラム
どう作るのか。企画書、ストーリー、24工程の制作フローなど、作り方の記事。
ayato@web TV DESIGN
何で見ていたのか。SDとHD、インターレース、テロップのデザインなど、画面とフォーマットの知識。
書籍『クリエーターとして生きたいが失敗した話』
なぜ作るのか。各ブロックの最後に、本の章を使って考え方の話をします。
Art of the Title/Vimeo
タイトルデザインと、制作会社・作家が公開している映像の資料。YouTubeにない作品はここで探します。
このサイト
何を観て、どう読むか。毎回の授業で観た作品と、その読み方の記録。
映像やスチルはこのサイトに載せていません。作品は公式の予告編や配信で観てください。