映像概論現代映像概論 ―今から、源流へ遡る2年間
2年後期第52回 構成案・コンテ・ルックの提出(1)

アニメで、実写のように撮る 『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』

第46回の『マトリックス』の源流として、1995年の『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』を観ました。制作したProduction I.Gには、僕がバンタンゲームアカデミーで教えていた生徒も進んでいます。皆さんが入っていく業界の、源流の一つです。

作品データ

公開1995年11月18日(日本)
上映時間82分
監督押井守
原作士郎正宗の漫画
音楽川井憲次
制作Production I.G
特徴実写のレンズ効果を取り入れたレイアウト、デジタル技術による合成。街の背景は香港でのロケハンをもとにしている
海外での評価アメリカのビルボード誌のビデオ売上チャートで、日本の映像作品として初めて1位を獲得した
配信要確認

作品の基本情報は2026年11月に公開情報で確認しました(Wikipedia「Ghost in the Shell (1995 film)」、攻殻機動隊 公式サイト)。配信状況は変わるため、授業前に確認してください。

作り手のバックボーン

押井守(監督) アニメでありながら、実写の映画のようなレイアウトとカメラを追求してきた監督です。

Production I.G この作品の制作会社で、その後も多くの劇場アニメを手がけています。僕がバンタンゲームアカデミーで教えていた生徒にも、ここで働いている人がいます。

あわせて知りたい作り手

菅野よう子作曲

『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』や『カウボーイビバップ』の音楽を手がけた作曲家です。押井守の劇場版とは別の形で、攻殻の世界を音で作りました。

考察

1. アニメに、カメラを持ち込む

手描きのアニメに、レンズの歪み、ピントのぼけ、ガラス越しの映り込みを描き込んでいます。第40回の『アバター』がCGにカメラを持ち込んだように、この作品は手描きにカメラを持ち込みました。

2. 源流は、海を越える

この作品は『マトリックス』の監督たちに影響を与えました。日本のアニメが、アメリカの大作映画の源流になっています。

3. 皆さんが入っていく場所

Production I.Gのような制作会社が、こうした作品を作っています。第0回の記事で話したお金の流れの中で、制作会社がどんな位置にいるのかを、改めて考えてみてください。

授業の進め方(90分×2コマ)

時間内容
1コマ目 0:00〜0:10導入:今回の観点を伝え、「観る前の予想」を書く
0:10〜本編上映(止めない・戻さない・飛ばさない)
休憩構成の区切りで休憩。前半で気づいたことを1行メモ
2コマ目上映の続き
上映後 15分分析シート「たどる面」を個人で記入
15分ペアで「授業で投げた問い」を話し合う
15分解説(この記事の考察)
5分引き出しノートに3つ、降ろす欄を記入

上映時間が長い場合は、ペアの話し合いを短くして解説の時間を確保します。

授業で投げた問い

  1. 実写のようだと感じたカットで、何がそう感じさせましたか。
  2. 『マトリックス』と似ていると思った場面はどこですか。

参照動画

授業で扱った映像と、理解を深めるための映像です。

参考書籍

参考リンク