企画書を、人に渡せる形にする
自主制作の企画書を提出し、一人ずつ講評しました。2年前期から作ってきた設計書を、人に渡せる一冊にまとめています。
この回で考えたこと
1. 企画書の構成
芯(誰に、何を、なぜ)、構成とテンションカーブ、コンテの山場、カラースクリプト、素材リストと仕上げの方針。この順番で並べると、読む人が迷いません。
2. 抽象から具体へ
企画書は、はしごを上から下へ降ろす順番で書きます。抽象から始めて、最後はパラメータまで。読む人が、自分の作業まで見えるようにします。
3. 講評は石の波紋
企画書を人に見せるのは、最初に石を投げることです。返ってきた意見は波紋です。全部を取り入れる必要はありません。どれを取り入れるかを、自分で選んでください。
権利の基礎チェック
企画書を人に渡す前に、使う素材の権利を確かめておきます。作品が完成してから「この音楽は使えない」と分かると、作り直しになります。プロの現場では、これは企画の段階で必ず確認することです。
| 素材 | 確認すること |
|---|---|
| 音楽 | 市販の曲は、作曲者や演奏者に権利があります。授業内の上映と、ネットでの公開では扱いが変わります。フリー素材を使うときは、利用規約(クレジット表記、商用利用、改変の可否)を読む |
| 映像・写真・イラスト | 人の作品をそのまま使わない。参考にするのは構図や考え方までで、素材そのものを切り貼りしない |
| フォント | フォントにもライセンスがあります。無料のフォントでも、商用利用や動画での使用に条件があることがある |
| 人物・ロゴ・キャラクター | 実在の人を撮るときは本人の許可を取る。企業のロゴや既存のキャラクターは、無断で使わない |
| 生成AI | 使ったサービスの規約で、作ったものをどこまで使えるかを確認する。既存の作品に似すぎていないかを自分の目で確かめる(第56回) |
| 自分の作品の権利 | 授業で作った作品をポートフォリオやSNSに載せてよいか、学校の決まりを確認する。チームで作った作品は、全員の了解を取る |
オマージュと盗用の違い 第28回の『ラ・ラ・ランド』は、『シェルブールの雨傘』の色づかいや形式を引き継ぎながら、自分の物語と自分の街で作り直していました。考え方や様式を受け継ぐのがオマージュで、他人の素材や表現をそのまま持ってくるのが盗用です。迷ったら、「何を受け継ぎ、何を自分で作ったか」を言葉で説明できるかを確かめてください。
この表は授業での基本の確認項目で、法律の助言ではありません。具体的な判断が必要なときは、学校や専門家に確認してください。
授業の進め方(90分×2コマ)
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 1コマ目 0:00〜0:10 | 進め方と講評の観点を伝える |
| 0:10〜1:30 | 企画書の発表と講評 |
| 休憩 | — |
| 2コマ目 0:00〜1:00 | 企画書の発表と講評の続き |
| 1:00〜1:15 | 全体講評 |
| 1:15〜1:30 | 次の目標を書く |
1人5分(発表3分+質疑2分)で約30人分。人数が少ない場合は、他の人の作品や分析シートを分析シートで読み合う時間に充てます。
授業で投げた問い
- 講評で、一番刺さった意見は何でしたか。
- その意見を取り入れると、企画の芯はぶれますか。
参考書籍
-
権利
18歳の著作権入門
福井健策/ちくまプリマー新書
作る側も使う側も知っておくべき著作権の基本を、若い読者向けに書いた入門書です。
参考リンク
-
映像概論
-
90年代
-
企画
-
講評
-
自主制作
- 映像概論
- 90年代
- 企画
- 講評
- 自主制作