映像概論現代映像概論 ―今から、源流へ遡る2年間
2年後期第50回 自主制作の企画書(2)

技術の限界から、企画を選ぶ 『トイ・ストーリー』

企画書の2回目です。1995年の『トイ・ストーリー』は、CGアニメーションの出発点です。第13〜14回の『マイ・エレメント』を作ったピクサーの、最初の長編でもあります。

作品データ

公開1995年
監督ジョン・ラセター
制作ピクサー・アニメーション・スタジオ
特徴世界で初めて全編をCGで作った長編アニメーション映画
配信Disney+(要確認)

作品の基本情報は2026年11月に公開情報で確認しました(Wikipedia英語版「Toy Story」、Disney公式、アカデミー賞公式(第68回)、映画.com)。配信状況は変わるため、授業前に確認してください。

作り手のバックボーン

ピクサー CGの短編を作りながら技術を磨き、この作品で長編に進んだスタジオです。僕の書籍でも、物語を何度も作り直すピクサーの作り方を、失敗から学ぶ例として書きました。

考察

1. 限界の中で一番輝く題材を選ぶ

当時のCGは、柔らかいもの、毛、人の肌が苦手でした。つるつるした硬いおもちゃは、そんな当時のCGと相性のよい題材だった、とよく言われます。技術の限界を、企画の強みに変えた例です。

2. 自主制作も同じ

皆さんの自主制作にも、時間、人数、技術の限界があります。その中で一番輝く題材を選んでください。限界は、企画を絞るための条件です。

3. 30年後の『マイ・エレメント』

同じピクサーが、約30年後に炎や水そのものを主人公にしました。技術の限界が広がると、選べる題材も広がります。第13回の作品と、ここでつながります。

授業の進め方(90分×2コマ)

時間内容
1コマ目 0:00〜0:10導入:今回の観点を伝え、「観る前の予想」を書く
0:10〜本編上映(止めない・戻さない・飛ばさない)
休憩構成の区切りで休憩。前半で気づいたことを1行メモ
2コマ目上映の続き
上映後 15分分析シート「たどる面」を個人で記入
15分ペアで「授業で投げた問い」を話し合う
15分解説(この記事の考察)
5分引き出しノートに3つ、降ろす欄を記入

上映時間が長い場合は、ペアの話し合いを短くして解説の時間を確保します。

授業で投げた問い

  1. 自分の企画で、今の技術や時間ではできないことは何ですか。
  2. それを避けるのではなく、強みに変える方法はありますか。

参照動画

授業で扱った映像と、理解を深めるための映像です。

参考書籍

  • 組織

    ピクサー流 創造するちから

    エド・キャットムル/ダイヤモンド社

    ピクサーの創業者が、失敗を前提にチームで作品を作る仕組みを書いた本です。

    Kindleで探す電子版は要確認

参考リンク