分析シート
制作では抽象から降ろし、分析では作品からたどる。毎回の授業で使うシートです。「たどる面」と「降ろす面」の2面でできています。たどる面は毎回すべて書きます。降ろす面は、1年前期は形容詞まで、1年後期は具体まで。パラメータまで降ろすのは、AEの授業で技術が身につく2年からです。
基本情報
| 項目 | 書くこと |
|---|
| 回・日付 | 授業の回と日付 |
| 作品名・公開年・媒体 | 映画、アニメ、ゲーム、MVなど |
| 監督・主なスタッフ | 作品データから書き写す |
| 観る前の予想 | 何が起きると思うか |
| 観たあとのズレ | 予想と何が違ったか |
たどる面①:6つの項目
分かることだけ書けば構いません。空欄は「まだ読めていない場所」です。
| 項目 | 問い |
|---|
| レイヤー構造 | 画面は何枚の層でできているか。背景、人物、エフェクト、文字は? |
| 世界観 | この作品の中で「当たり前」になっているルールは何か |
| カラコレ・ルック | 全体は何色に寄っているか。光はどこから来ているか |
| テンションカーブ | どこで盛り上がり、どこで落ちたか。一番高い山はどこか |
| 台本構成 | どこで話が転がったか。いくつの段階に分けられるか |
| 源流作品 | この作品は何から来ていると思うか。作り手は何を経てきたか |
たどる面②:はしごを下からたどる
一番心が動いた場面を1つ選び、観察した事実から順に上へたどります。はしごの考え方はこの授業についての図1を見てください。
| 段 | 問い |
|---|
| 4 パラメータ | 画面と音で、実際に観察できたことは何か(色、光、カメラの位置、構図、カットの長さ、音) |
| 3 具体 | それはどんな演出の指示として書けるか |
| 2 形容詞 | その場面を形容詞3つで言うと |
| 1 抽象 | 作り手は、その場面で何を伝えたかったのか |
パラメータの引き出し
1年のうちは、パラメータを「作る」必要はありません。観察した言葉を「集める」だけで十分です。書き溜めたものが、2年でAEを使って作るときの引き出しの目録になります。専門用語を知らなければ、自分の言葉で構いません。
| 分類 | 書くこと |
|---|
| 色 | 観察したこと/場面(何分ごろ)/何を感じさせていたか |
| 光 | 同上 |
| カメラ(位置・動き) | 同上 |
| 構図 | 同上 |
| 編集(カットの長さ・つなぎ方) | 同上 |
| 音・音楽 | 同上 |
降ろす面
たどる面で見つけた「抽象」を、自分ならどう降ろすかを考えます。正解はありません。作品と違う答えになって構いません。
| 時期 | 降ろす範囲 | 書くこと |
|---|
| 1年前期 | 抽象 → 形容詞 | 自分なら、その抽象を別の形容詞3つでどう言い換えるか。作品の形容詞とどこが違うか |
| 1年後期 | 形容詞 → 具体 | それを伝える場面の指示を3つ(時間帯、人物の位置、音の有無など)。引き出しノートで使えそうな観察はどれか |
| 2年から | 具体 → パラメータ | AEの授業で身につけた技術で、引き出しノートを開いてパラメータまで降ろす |
記入例:『DUNE PART2』ジェディ・プライムの闘技場
第7回で扱った場面です。
| 段 | たどる |
|---|
| 4 パラメータ | 屋外だけ白黒になる。人物の肌が白く浮く。影が濃い。群衆が画面を埋め、主役は中央 |
| 3 具体 | 屋内から屋外に出た瞬間に色が消える。闘技場を大勢が囲む |
| 2 形容詞 | 冷たい/異質/乾いた |
| 1 抽象 | 「話が通じない他者の世界」 |
| 分類 | 観察したこと | 何を感じさせていたか |
|---|
| 色 | 屋外は白黒。屋内は色がある | 外の世界が異質だと分かる |
| 光 | 肌が白く光って見える | 人間らしさがない |
| 構図 | 群衆が画面を埋め、主役が中央に立つ | 逃げ場がない |
| 段 | 降ろす(前期) |
|---|
| 1 抽象 | 「話が通じない他者の世界」 |
| 2 形容詞 | 自分なら:無音/整いすぎた/無表情 |
| ひとこと | 作品は「冷たさ」で描いていたが、自分は「整いすぎていて人間味がない」方向で描きたい |