映像概論現代映像概論 ―今から、源流へ遡る2年間
2年前期第44回 ルックの設計(2)

ゲーム機の世代交代が、ルックを変える 『FFX』と『MGS4』

1年前期の第1回で、1997年の『FF7』を観ました。今回はその続きの世代として、2000年代のゲームのルックを扱いました。

比較

作品特徴
『ファイナルファンタジーX』2001年7月19日。PlayStation 2。シリーズで初めて登場人物の声(ボイス)を導入し、プリレンダの背景から立体的なフィールドへ移った
『メタルギアソリッド4』2008年。PlayStation 3。小島秀夫監督。長いムービーシーンで物語を語る

作品の基本情報は2026年11月に公開情報で確認しました(ギネス世界記録)。配信状況は変わるため、授業前に確認してください。

作り手のバックボーン

小島秀夫(『MGS4』) 映画好きとして知られ、ゲームに映画の演出を持ち込んできた作り手です。のちに独立して『DEATH STRANDING』を作っています。

考察

1. 声が入ると、演出が変わる

『FFX』で登場人物が声を持ったことで、表情と口の動き、間の取り方が、映画と同じように問われるようになりました。同時に、第1回と第55回で観た『FF7』のプリレンダの背景から、立体的なフィールドへ移っています。技術の変化が、演出の基準を変えています。

2. ムービーの長さという選択

『MGS4』は、長いムービーシーンで物語を語りました。第3回で話した「カメラの主導権」を、作り手が長く握る選択です。賛否が分かれるところも含めて、ゲームと映像の境界を考える材料になります。

3. ハードの世代を読む

第1回の『FF7』はPlayStation、『FFX』はPS2、『MGS4』はPS3。ゲーム機が変わるたびに、作れる画が変わってきました。企業の戦略と技術とルックは、つながっています。

授業の進め方(90分×2コマ)

時間内容
1コマ目 0:00〜0:10導入:「カメラを持つのは誰か」という観点を伝える
0:10〜0:25トレーラー・ムービーシーンを上映
0:25〜1:30プレイ映像を上映(「プレイ画面」の表の順に)
休憩—
2コマ目 0:00〜0:20比較シート:ムービーとプレイで、時間とカメラの主導権がどう違うかを書く
0:20〜0:50ペアで比較、数名が発表
0:50〜1:20解説(この記事の考察)
1:20〜1:30引き出しノートに3つ、降ろす欄を記入

プレイ映像は実況や解説の声が入っていないものを選び、使う時間の位置を事前に控えておきます。

授業で投げた問い

  1. 二つの作品のルックを、形容詞3つずつで言うとどうなりますか。
  2. ムービーシーンが長いことを、どう感じましたか。

参照動画

授業で扱った映像と、理解を深めるための映像です。

プレイ画面

2つの世代のゲームで、ムービーとプレイの比率の違いを観ます。どちらも冒頭のプレイ映像を上映します。

使う部分目安観るポイント
『FFX』冒頭約30分声が入った人物の表情と口の動き。ムービーからプレイに戻ったときの画の差
『MGS4』冒頭約30分ムービーシーンの長さ。プレイヤーがカメラを持っていない時間の長さ

授業では実機でプレイせず、プレイ映像を上映します。実況や解説の声が入っていない映像(「実況なし」「No Commentary」)を選んでください。

参考リンク