映像概論現代映像概論 ―今から、源流へ遡る2年間
2年前期第38回 絵コンテ(2)

同じ構図を繰り返して、時間を戻す 『時をかける少女』の演出

前回の続きで、構図の繰り返しに注目しました。第11回の『ルックバック』で「同じ構図の繰り返しが時間を語る」と話しました。今回は、その繰り返しを時間を戻す仕掛けとして使っている例です。

作品データ

作品『時をかける少女』(2006)
演出の特徴同じ場所・同じ構図を繰り返し、違いで時間の変化を見せる
比較『ルックバック』(第11回)は同じ構図の繰り返しで年月の経過を見せる
配信要確認

作品の基本情報は公開情報をもとにしています。配信状況は変わるため、授業前に確認してください。

考察

1. 同じ構図は、観客の記憶を呼び出す

同じ構図が出てくると、観客は前の場面を思い出します。だから、時間が戻ったことを説明しなくても分かります。

2. 違いが物語を進める

繰り返しの中で、少しずつ何かが違います。その違いに気づいたとき、観客は物語が前に進んだことを知ります。繰り返しと違いは、セットで設計されています。

3. コンテの段階で決める

同じ構図を正確に繰り返すには、コンテの段階で構図を決めておく必要があります。描きながら決めていては、繰り返しになりません。

授業の進め方(90分×2コマ)

時間内容
1コマ目 0:00〜0:10前回の振り返り:前回の分析シートを読み返す
0:10〜0:50主要場面を再上映(観点を絞って観る)
0:50〜1:30演習(個人)
休憩—
2コマ目 0:00〜0:30演習の続き、ペアで見せ合う
0:30〜0:50数名が発表
0:50〜1:20解説(この記事の考察)
1:20〜1:30引き出しノートに3つ、降ろす欄を記入

作品の本編は前回すべて上映しています。今回は場面を絞って再上映し、手を動かす時間を中心にします。

授業で投げた問い

  1. 見つけた2組の繰り返しで、何が違っていましたか。
  2. その違いは、物語の何を伝えていましたか。

参照動画

授業で扱った映像と、理解を深めるための映像です。

参考リンク