同じ構図を繰り返して、時間を戻す 『時をかける少女』の演出
前回の続きで、構図の繰り返しに注目しました。第11回の『ルックバック』で「同じ構図の繰り返しが時間を語る」と話しました。今回は、その繰り返しを時間を戻す仕掛けとして使っている例です。
作品データ
| 作品 | 『時をかける少女』(2006) |
| 演出の特徴 | 同じ場所・同じ構図を繰り返し、違いで時間の変化を見せる |
| 比較 | 『ルックバック』(第11回)は同じ構図の繰り返しで年月の経過を見せる |
| 配信 | 要確認 |
作品の基本情報は公開情報をもとにしています。配信状況は変わるため、授業前に確認してください。
考察
1. 同じ構図は、観客の記憶を呼び出す
同じ構図が出てくると、観客は前の場面を思い出します。だから、時間が戻ったことを説明しなくても分かります。
2. 違いが物語を進める
繰り返しの中で、少しずつ何かが違います。その違いに気づいたとき、観客は物語が前に進んだことを知ります。繰り返しと違いは、セットで設計されています。
3. コンテの段階で決める
同じ構図を正確に繰り返すには、コンテの段階で構図を決めておく必要があります。描きながら決めていては、繰り返しになりません。
授業の進め方(90分×2コマ)
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 1コマ目 0:00〜0:10 | 前回の振り返り:前回の分析シートを読み返す |
| 0:10〜0:50 | 主要場面を再上映(観点を絞って観る) |
| 0:50〜1:30 | 演習(個人) |
| 休憩 | — |
| 2コマ目 0:00〜0:30 | 演習の続き、ペアで見せ合う |
| 0:30〜0:50 | 数名が発表 |
| 0:50〜1:20 | 解説(この記事の考察) |
| 1:20〜1:30 | 引き出しノートに3つ、降ろす欄を記入 |
作品の本編は前回すべて上映しています。今回は場面を絞って再上映し、手を動かす時間を中心にします。
授業で投げた問い
- 見つけた2組の繰り返しで、何が違っていましたか。
- その違いは、物語の何を伝えていましたか。
参照動画
授業で扱った映像と、理解を深めるための映像です。
-
『時をかける少女』(2006)予告編
KADOKAWA
繰り返しの構図を確認してください。
参考リンク
-
映像概論
-
2000年代
-
絵コンテ
-
構図
- 映像概論
- 2000年代
- 絵コンテ
- 構図