映像概論現代映像概論 ―今から、源流へ遡る2年間
2年前期第32回 企画への逆算(2)

働く場所が、そのまま世界になる 『千と千尋の神隠し』の世界観設定

前回の企画の芯に続いて、今回は世界観です。1年前期の第13回で、『マイ・エレメント』の世界のルールを元素の性質から考えました。今回は、そのルールを「職場」から考えます。

作品データ

作品『千と千尋の神隠し』(2001)
舞台八百万の神々が客として訪れる湯屋
世界のルール働かない者は存在できない。契約で名前を奪われる
配信日本の主要な配信サービスでは配信されていない(2026年時点で要確認)。DVD・Blu-rayのレンタルで扱う

作品の基本情報は公開情報をもとにしています。配信状況は変わるため、授業前に確認してください。

考察

1. ルールは「社会」から作れる

第13回の『マイ・エレメント』は元素の性質からルールを作りました。この作品は、職場という社会の仕組みからルールを作っています。世界観の作り方には、いくつも入口があります。

2. ルールが主人公を試す

「働かないと存在できない」というルールがあるから、主人公は働くしかありません。世界のルールが、そのまま主人公の成長の舞台になっています。

3. 設定は画で見せる

この世界のルールは、ほとんど説明されません。働く人の動き、帳場のやりとり、契約書の場面で、画として見せています。設定書はチームのために書くものであって、観客に読ませるものではありません。

授業の進め方(90分×2コマ)

時間内容
1コマ目 0:00〜0:10前回の振り返り:前回の分析シートを読み返す
0:10〜0:50主要場面を再上映(観点を絞って観る)
0:50〜1:30演習(個人)
休憩—
2コマ目 0:00〜0:30演習の続き、ペアで見せ合う
0:30〜0:50数名が発表
0:50〜1:20解説(この記事の考察)
1:20〜1:30引き出しノートに3つ、降ろす欄を記入

作品の本編は前回すべて上映しています。今回は場面を絞って再上映し、手を動かす時間を中心にします。

授業で投げた問い

  1. 湯屋のルールで、一番主人公を苦しめたものは何ですか。
  2. そのルールは、セリフで説明されていましたか、画で見せられていましたか。

参照動画

授業で扱った映像と、理解を深めるための映像です。

参考リンク