映像概論現代映像概論 ―今から、源流へ遡る2年間
1年後期第27回 編集・色・音楽の総合(1)

色と長回しで、夢を見せる 『ラ・ラ・ランド』

後期の総合回です。これまでに扱った光、色、長回し、音楽が、1本の中でどう組み合わさるかを見ました。

作品データ

公開2016年(日本は2017年2月)
監督・脚本デイミアン・チャゼル
撮影リヌス・サンドグレン
音楽ジャスティン・ハーウィッツ
撮影の特徴35mmフィルムで撮影した、横長のシネマスコープ(2.55:1)の画面
評価アカデミー賞6部門受賞(監督賞、主演女優賞、撮影賞、作曲賞、歌曲賞、美術賞)
配信要確認

作品の基本情報は2026年11月に公開情報で確認しました(Wikipedia「List of accolades received by La La Land」、British Cinematographer)。配信状況は変わるため、授業前に確認してください。

作り手のバックボーン

デイミアン・チャゼル(監督) ジャズに打ち込んだ経験を持ち、前作『セッション』でも音楽を題材にしました。音楽と映像を同じリズムで設計する監督です。

ジャスティン・ハーウィッツ(音楽) チャゼルとはハーバード大学で同じ部屋に住み、学生時代から一緒に映画を作ってきた作曲家です。監督と作曲家が長く組むことで、音楽と映像が最初から一緒に作られています。

考察

1. 色が感情を先回りする

登場人物の衣装は、場面の感情に合わせて原色が選ばれています。第8回の『DUNE』では色が「場所」を表しましたが、ここでは色が「気持ち」を表しています。

2. 切らないカメラが、夢を守る

歌と踊りの場面は、できるだけ切らずに撮られています。カットを割ると、作り物だと気づかれてしまう。長回しが、夢の時間を途切れさせないための道具になっています。第4回、第19回の長回しの話とつながります。

3. 音楽家が監督と作曲家にいる

監督と作曲家が音楽で長くつながっているから、編集のリズムと曲のリズムが一致しています。チームの組み方も、作品の質を決めます。

授業の進め方(90分×2コマ)

時間内容
1コマ目 0:00〜0:10導入:今回の観点を伝え、「観る前の予想」を書く
0:10〜本編上映(止めない・戻さない・飛ばさない)
休憩構成の区切りで休憩。前半で気づいたことを1行メモ
2コマ目上映の続き
上映後 15分分析シート「たどる面」を個人で記入
15分ペアで「授業で投げた問い」を話し合う
15分解説(この記事の考察)
5分引き出しノートに3つ、降ろす欄を記入

『ラ・ラ・ランド』は上映時間が2時間を超えるため、解説は次回の冒頭15分に回します。

授業で投げた問い

  1. 一番夢のようだと感じた場面は、何色でしたか。
  2. 踊りの場面で、カットが割られていたらどう感じたと思いますか。

参照動画

授業で扱った映像と、理解を深めるための映像です。

参考リンク