CGに、印刷のズレを描き足す 『スパイダーマン:スパイダーバース』のルック
後期のモーショングラフィックスの回は、CGアニメーションの見た目を大きく変えた作品から始めます。CGを学ぶ学生には、技術とルックの関係を考えるのにこれ以上ない題材です。
作品データ
| 公開 | 2018年 |
| 監督 | ボブ・ペルシケッティ、ピーター・ラムジー、ロドニー・ロスマン |
| 製作 | フィル・ロード、クリストファー・ミラー |
| 制作 | ソニー・ピクチャーズ アニメーション(CGはソニー・ピクチャーズ イメージワークス) |
| 評価 | アカデミー長編アニメーション賞(第91回)。監督の一人ピーター・ラムジーは、この部門でノミネート・受賞した初のアフリカ系アメリカ人 |
| ルックの特徴 | 漫画の網点、印刷の色ズレ、線画を3DCGに重ねる |
| 配信 | 要確認 |
作品の基本情報は2026年11月に公開情報で確認しました(Wikipedia「Spider-Man: Into the Spider-Verse」、The Hollywood Reporter)。配信状況は変わるため、授業前に確認してください。
作り手のバックボーン
フィル・ロード、クリストファー・ミラー(製作) 『くもりときどきミートボール』『LEGO ムービー』で、CGアニメーションの見た目を毎回変えてきたコンビです。この作品でも、CGアニメの「当たり前の見た目」を疑うところから始めています。
考察
1. 失敗に見えるものを、表現にする
印刷の色ズレは、本来は失敗です。この作品はそれを、ピントの外れた背景や、画面の奥行きの表現として使っています。欠点をルールに変えることで、新しいルックが生まれています。
2. 漫画という源流
網点、集中線、吹き出しの文字。どれも紙の漫画から来ています。CGの作品の源流が、紙の印刷物にあるという例です。
3. ルックは選択
CGは、写真のようにリアルにもできるし、手描きのようにもできます。どちらに寄せるかは、技術ではなく作品が何を伝えたいかで決まります。
授業の進め方(90分×2コマ)
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 1コマ目 0:00〜0:10 | 導入:今回の観点を伝え、「観る前の予想」を書く |
| 0:10〜 | 本編上映(止めない・戻さない・飛ばさない) |
| 休憩 | 構成の区切りで休憩。前半で気づいたことを1行メモ |
| 2コマ目 | 上映の続き |
| 上映後 15分 | 分析シート「たどる面」を個人で記入 |
| 15分 | ペアで「授業で投げた問い」を話し合う |
| 15分 | 解説(この記事の考察) |
| 5分 | 引き出しノートに3つ、降ろす欄を記入 |
上映時間が長い場合は、ペアの話し合いを短くして解説の時間を確保します。
授業で投げた問い
- 漫画の印刷のようだと感じた部分は、場面のどんな感情と結びついていましたか。
- この作品を写真のようなリアルなCGで作ったら、何が失われますか。
参照動画
授業で扱った映像と、理解を深めるための映像です。
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『スパイダーマン:スパイダーバース』予告編
Sony Pictures
網点と色ズレがどこに使われているかを確認してください。
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『スパイダーバース』のルックの解説
解説動画
CGに印刷の表現を足す方法の参考です。
参考書籍
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アニメ
ディズニーアニメーション 生命を吹き込む魔法
フランク・トーマス、オーリー・ジョンストン/徳間書店
ディズニーのアニメーターが、動きで命を表現する原則を書いた本です。アニメーションの12の原則の原典です。
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メイキング
The Art of Spider-Man: Into the Spider-Verse
Ramin Zahed
ルックの開発過程をまとめたアートブックです(英語)。
参考リンク
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映像概論
-
2010年代
-
MG
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CGアニメ
-
ルック
- 映像概論
- 2010年代
- MG
- CGアニメ
- ルック