映像概論現代映像概論 ―今から、源流へ遡る2年間
1年前期第15回 前期まとめ:分析シート発表

14回分の目で、自分の1本を読む 前期まとめ発表

第15回は前期のまとめです。新しい作品は上映せず、各自が選んだ1本を分析シートで発表します。発表の前に、15分の「書籍の章トーク」として、講師の書籍原稿から「センスとコンセプト」の章を紹介しました。

前期に扱った作品

回テーマ作品源流
1オリエン『FF7』『FF7 リバース』同じ作り手の27年
2YouTubeと映像作品『夜に駆ける』MVテレビとレンタルの時代
3ゲームと映像『Ghost of Tsushima』黒澤明の時代劇
4時間・フレーム・編集『1917 命をかけた伝令』ヒッチコック『ロープ』
5〜6ショット・カメラ・構図『トップガン マーヴェリック』『トップガン』(1986)
7〜8光と色『DUNE PART2』前作『DUNE』と原作小説
9〜10音と音楽『ゴジラ-1.0』『ゴジラ』(1954)と伊福部昭
11〜12構成とテンションカーブ『ルックバック』原作の読み切り漫画
13〜14世界観『マイ・エレメント』監督の家族の記憶

発表のフォーマット(1人5分)

  1. 作品名と、選んだ理由(30秒)
  2. 分析シート6項目のうち、一番書けた項目を詳しく(2分)
  3. 一番書けなかった項目と、その理由(1分)
  4. この作品の「源流」だと思う作品(1分)
  5. 質疑(30秒)

講評の観点

成績は出席と感想の提出で決まります。ここに挙げたのは、発表を聞くとき、講評するときに見るポイントです。

観点見ているところ
読めているか「かっこいい」で終わらず、理由を画・音・構成の言葉で説明できているか
前期の道具を使えているかレイヤー構造、テンションカーブ、光と色など、前期の観点を使っているか
源流に触れているか作品の背景にある作り手や過去の作品に目を向けているか
自分の変化を言えるか第1回のシートと比べて、何が書けるようになったか

考察:前期で身につけたこと

1. 画面の裏にある「判断」が見えるようになった

カメラを実機に載せる、赤外線で撮る、58分で終える。前期で見てきたのは、どれも作り手の判断でした。映像を読むとは、その判断を見つけることです。

2. 源流は思ったより古い

2年間で90年代まで遡る予定でしたが、前期だけで黒澤明、1954年の『ゴジラ』まで源流が広がりました。後期からは2010年代に入り、その間をつないでいきます。

3. センスは「選び抜く力」

書籍の章トークで紹介したとおり、センスは生まれつきの才能ではなく、なぜそれを選んだのかを問い続けることで育つ「選び抜く力」です。分析シートは、その問いを習慣にするための道具です。

授業の進め方(90分×2コマ)

時間内容
1コマ目 0:00〜0:10進め方と講評の観点を伝える
0:10〜1:30分析シート発表(1人5分)
休憩—
2コマ目 0:00〜1:00分析シート発表(1人5分)の続き
1:00〜1:15全体講評
1:15〜1:30次の目標を書く

1人5分(発表3分+質疑2分)で約30人分。人数が少ない場合は、他の人の作品や分析シートを分析シートで読み合う時間に充てます。

参考書籍

前期の振り返りに役立つ本です。

  • 演出全般

    映像の原則 改訂二版

    富野由悠季/キネマ旬報社

    前期で扱った観点をひととおり論理的に整理できる技術書です。

    Kindleで探す電子書籍版あり

  • 映像概論

  • 2020年代

  • まとめ

  • 発表